目次
1. トレーサビリティ機能の概要
1.1 トレーサビリティとは
トレーサビリティとは、製品の移動履歴を追跡・記録する仕組みです。ロット管理機能により、以下の情報を追跡できます:
| 追跡可能な情報 | 内容 |
|---|---|
| 入庫元伝票 | このロットがどの伝票で入庫したか |
| 更新履歴 | ロット情報がいつ誰によって変更されたか |
| 引当履歴 | どの伝票でどれだけ出庫したか |
| 保管場所 | 現在どの倉庫・棚に保管されているか |
| 在庫推移 | 時系列での在庫数量の変化 |
1.2 トレーサビリティの重要性
トレーサビリティは以下のような場面で重要です:
品質管理:
- 不良品が発生した場合、影響範囲を特定できる
- 同じロットの製品を回収できる
在庫管理:
- ロットの現在地を把握できる
- 期限切れや滞留在庫を発見できる
法令対応:
- 食品・医薬品などの法令でトレーサビリティが求められる
- 製造履歴の証明ができる
顧客対応:
- 顧客からの問い合わせに迅速に回答できる
- クレーム発生時の原因究明ができる1
2. ロット番号からの追跡方法
2.1 基本的な追跡の流れ
ロット番号から製品の履歴を追跡する基本的な流れは以下の通りです:
1. ロット情報一覧画面でロットを検索 ↓ 2. ロット詳細を確認 ↓ 3. 入庫元伝票を確認 ↓ 4. 引当履歴を確認 ↓ 5. 現在の保管場所を確認
2.2 ロット情報一覧画面でロットを検索
ステップ1:ロット情報一覧画面を開く
- メニューから「ロット情報一覧」を選択します
- ロット情報一覧画面が表示されます
ステップ2:ロット番号で検索
- 「社内ロット番号」または「相手先ロット番号」欄に番号を入力します
- 「検索」ボタンをクリックします
- 該当するロットが一覧表示されます
検索例:
社内ロット番号(From): LOT-20251101-001 → LOT-20251101-001のロット情報が表示される
詳細な検索方法は「ヘルプ > ロット情報の検索・確認・編集」を参照してください。
2.3 ロット詳細を確認
ステップ1:一覧から行をクリック
- 検索結果一覧で、詳細を確認したいロットの行をクリックします
- ロット詳細ダイアログが表示されます
ステップ2:ロット基本情報を確認
ダイアログには以下の情報が表示されます:
商品情報:
- 商品コード
- 商品名
- 仕様・規格(型番)
- ロット原価
ロット情報:
- 社内ロット番号
- 相手先ロット番号
- 製造日
- 有効期限日
- 納品期限日
- 販売期限日
- 備考
- 出庫禁止フラグ
在庫情報:
- 各倉庫・棚の在庫数量
- 合計在庫数量
ステップ3:在庫推移を確認
-
ロット詳細ダイアログの下部にある「在庫推移表を表示」ボタンをクリックします
- 在庫推移表画面が別タブで開きます
- 時系列での在庫数量の変化を確認できます
3. 入庫元伝票の確認
3.1 入庫元伝票とは
入庫元伝票はロット詳細ダイアログのロット作成元伝票で確認が可能です。ロット作成元伝票とは、このロットが最初に入庫した際の伝票情報です。以下の伝票が入庫元伝票になります:
| 伝票種別 | 説明 |
|---|---|
| 入荷伝票 | 仕入先から商品を受け取った伝票 |
| 仕入伝票 | 商品を仕入れた伝票 |
| 受払伝票 | 倉庫間移動などで入庫した伝票 |
| 在庫振替伝票 | 在庫振替で入庫した伝票 |
5. ロット引当履歴の確認
5.1 ロット引当履歴とは
ロット引当履歴は、このロットがどの伝票で出庫されたかの記録です。以下の伝票での引当が記録されます:
| 伝票種別 | 説明 |
|---|---|
| 出荷伝票 | 顧客への出荷 |
| 売上伝票 | 売上計上時の出庫 |
| 受払伝票 | 倉庫間移動などでの出庫 |
| 在庫振替伝票 | 在庫振替での出庫 |
5.2 ロット引当履歴の確認方法
ロット引当履歴は、各伝票画面のロット引当情報から確認できます。
出荷伝票でのロット引当履歴
確認手順:
- 出荷伝票の編集画面を開きます
-
明細行のロット欄をクリックします
- ロット引当ダイアログが表示されます
- 引当済みのロット一覧が表示されます
表示項目:
- 社内ロット番号
- 相手先ロット番号
- 引当数量
- 製造日
- 有効期限日
- 納品期限日
- 販売期限日
- 備考
- 出荷制限フラグ
引当履歴の更新ログを確認
確認手順:
- 出荷伝票のその他ボタンより「変更履歴」を開きます
- 特定の履歴リストを選択します
- その更新に紐づく伝票情報が確認できます
- ロット割当ダイアログをクリックするとその登録時点の割当情報が取得できます
5.3 引当履歴から追跡する
追跡シナリオ:特定ロットがどこに出荷されたか確認
目的: ロット LOT-20251101-001 がどの顧客に出荷されたか確認する
手順:
- ロット情報一覧画面でロット
LOT-20251101-001を検索 - ロット詳細より「在庫推移表を表示」をクリック:
- 種別「出荷」「売上」を確認
- 各出荷、売上伝票を開いて、得意先を確認
6. 在庫保管場所の確認
6.1 在庫保管場所とは
在庫保管場所は、このロットが現在どの倉庫・棚に保管されているかの情報です。
6.2 在庫保管場所の確認手順
- ロット情報一覧画面でロットを検索します
- 一覧から該当ロットの行をクリックします
- ロット詳細ダイアログが表示されます
- ダイアログのヘッダー部に在庫情報が表示されます
- 各倉庫・棚ごとの在庫数量が表形式で表示されます
表示例:
| 倉庫 | 棚番号 | 在庫数量 |
|---|---|---|
| 第一倉庫 (WH01) | A-01 | 100.0000 |
| 第二倉庫 (WH02) | B-05 | 50.0000 |
| 合計 | 150.0000 |
6.4 在庫がない場合
在庫がない場合、以下のメッセージが表示されます:
在庫はありませんでした。
これは、以下の原因が考えられます:
- すべて出庫済み
- 受払伝票の「材料消費」もくしは在庫振替伝票の「払出側」として登録済み
- データ不整合
7. 伝票からのロット確認
7.1 各伝票画面でのロット確認
各伝票画面では、その伝票に紐づくロット情報を確認できます。
入荷伝票でのロット確認
確認手順:
- 入荷伝票の編集画面を開きます
- 明細行のロット欄を確認します
- 「ロット割当ダイアログ」をクリックします
- ロット登録ダイアログが表示されます
表示項目:
- 社内ロット番号
- 相手先ロット番号
- 製造日
- 有効期限日
- 納品期限日
- 販売期限日
- 備考
- 出荷制限フラグ
仕入伝票でのロット確認
確認手順:
- 仕入伝票の編集画面を開きます
- 明細行のロット欄を確認します
- 「ロット登録」ボタンをクリックします
- ロット登録ダイアログが表示されます
出荷伝票でのロット確認
確認手順:
- 出荷伝票の編集画面を開きます
- 明細行のロット引当欄を確認します
- 「ロット引当」ボタンをクリックします
- ロット引当ダイアログが表示されます
売上伝票でのロット確認
確認手順:
- 売上伝票の編集画面を開きます
- 明細行のロット引当欄を確認します
- 「ロット引当」ボタンをクリックします
- ロット引当ダイアログが表示されます
7.2 伝票からのロット追跡
追跡シナリオ:出荷伝票から使用したロットを確認
目的: 出荷伝票 S-20251101-001 で出荷したロットを確認する
手順:
- 出荷伝票一覧画面を開きます
- 伝票番号
S-20251101-001で検索します - 該当する出荷伝票の編集画面を開きます
- 明細行のロット引当欄を確認します
- 引当済みのロット情報が表示されます
確認できる情報:
- どのロットを使用したか
- 各ロットの引当数量
- ロットの期限日
- ロットの出荷制限状態
8. 具体的な追跡例
8.1 追跡例1:期限切れロットの在庫確認
シナリオ
有効期限が2025年11月30日のロットの在庫を確認し、期限が近いロットを優先的に出荷する。
追跡手順
ステップ1:期限が近いロットを検索
- ロット情報一覧画面を開く
-
検索条件を設定:
- 有効期限日(From): (空欄)
- 有効期限日(To): 2025/11/30
- 出庫禁止: チェックOFF
- 「検索」ボタンをクリック
- 検索結果をソート:「有効期限日」列をクリック(昇順)
ステップ2:各ロットの在庫保管場所を確認
- 各ロットの行をクリックしてロット詳細を表示
- 在庫情報を確認
- 在庫がある場合は、倉庫・棚番号を記録
8.2 追跡例2:顧客からの問い合わせ対応
シナリオ
顧客から「2025年11月1日に購入した商品Aのロット番号を教えてほしい」との問い合わせがあった。
追跡手順
ステップ1:出荷伝票を検索
- 出荷伝票一覧画面を開く
-
検索条件を設定:
- 顧客: 該当顧客を選択
- 出荷日: 2025/11/01
- 商品: 商品A
- 該当する出荷伝票を特定
ステップ2:ロット引当情報を確認
- 出荷伝票の編集画面を開く
- 明細行のロット引当欄を確認
- 引当済みのロット番号を取得
ステップ3:ロット詳細を確認
- ロット情報一覧画面でロット番号を検索
- ロット詳細を確認
- 製造日、有効期限日などの情報を顧客に回答
9. よくある質問(FAQ)
- Q2. ロット引当履歴が見つかりません
-
A2. 以下の点を確認してください:
-
ロットが出庫されていない:
- まだ出庫されていないロットは引当履歴がありません
-
検索条件が狭すぎる:
- 検索期間や顧客条件を広げて再検索してください
-
伝票が削除された:
- 出荷伝票が削除された場合、引当履歴は残りません
-
ロットが出庫されていない:
- Q3. 在庫保管場所の情報が「在庫はありませんでした」と表示されます
-
A3. 以下の原因が考えられます:
-
すべて出庫済み:
- ロットの在庫がすべて出庫された場合
-
在庫振替で移動済み:
- 在庫振替で別のロットに統合された場合
-
データ不整合:
- 在庫照会機能で実在庫を確認してください
-
すべて出庫済み:
- Q4. 在庫推移を確認する方法は?
-
A4. 在庫推移機能を使用します:
- ロット詳細ダイアログを開く
- 下部の「在庫推移」ボタンをクリック
- 在庫推移画面が別タブで開く
- 時系列での在庫数量の変化を確認できます
- Q5. 特定期間に出荷されたロットを確認したい
-
A5. 出荷伝票一覧画面で検索します:
- 出荷伝票一覧画面を開く
-
検索条件を設定:
- 出荷日(From/To): 期間を指定
- 商品: 必要に応じて指定
- 各出荷伝票を開いてロット引当情報を確認
- Q6. 同じロットの製品を回収したい
-
A6. 以下の手順で回収します:
- ロット番号で出荷伝票を検索
- 該当する出荷伝票から顧客を特定
- 各顧客に連絡して回収を依頼
- 在庫がある場合は、出荷制限フラグをONにする
- Q7. 在庫がない場合でもトレーサビリティ情報は確認できますか?
-
A7. はい、確認できます。
- ロット情報一覧画面から検索できます
- 入庫元伝票、引当履歴は確認可能です
- ただし、在庫保管場所は「在庫はありませんでした」と表示されます
10. 注意事項
10.1 トレーサビリティ運用時の注意点
データの正確性
-
入力時の正確性が重要:
- 伝票入力時にロット番号を正確に入力してください
- 相手先ロット番号も可能な限り入力してください
- 期限日の入力ミスに注意してください
履歴の保全
-
伝票の削除に注意:
- 伝票を削除すると、トレーサビリティ情報が失われます
- 削除前に必ず内容を確認してください
10.2 法令対応時の注意点
保存期間の遵守
-
法令で定められた期間保存:
- 業種や情報により様々です
- 詳細は所轄官庁の指導に従ってください
10.3 システム設定との関連
ロット管理機能の有効化
-
システム設定が必要:
- システム設定で「ロット管理機能を使用する」を有効にしてください
- 商品情報で「ロット管理する」設定が必要です
詳細は ロット管理対象商品の設定方法 を参照してください。
11. まとめ
トレーサビリティ機能により、以下の情報を追跡できます:
ロット番号からの追跡:
- ロット情報一覧画面でロットを検索
- ロット詳細でロット基本情報を確認
- ロット引当履歴の確認(各伝票のロット引当機能)
伝票からの追跡:
- 入荷伝票・仕入伝票・受払伝票・在庫振替伝票でのロット登録情報
- 出荷伝票・売上伝票・受払伝票・在庫振替伝票でのロット引当情報
重要なポイント:
- 入力時のデータ正確性が重要
- リアルタイムでの更新を心がける
- 伝票削除時は注意する(履歴が削除される)
- 適切な権限が必要
トレーサビリティ機能を活用することで、品質管理の向上、在庫管理の最適化、法令対応の強化が実現できます。
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